自転車通勤に憧れたあなたに

四月になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

自転車に乗って通勤通学をしようと考えている方に申し上げます。

自転車は全身を使って行う運動です。
今までに長い時間をかけて運動する習慣がなかった方には、
半年程度は修行に近い苦しみが待ってます。
この半年を乗り越えられずに辞めてしまい、
原付や車に戻ってしまう方が多くいらっしゃいます。

完全に破綻しない運用計画と資金繰りができているかを確認しましょう。

☆時間の段取り。
自宅を出てから駐輪場へ預けて駅のホームに立つまでの損失を十分に
確保してください。
今までよりは30分早起きして準備に掛かられると幸いです。

☆体力
雨が降ったら自転車に乗らない人は自転車で通勤してはいけません。
始めのうちはやる気が疲れの蓄積を抑えて頑張れます。
次第に身体が動かなくなると電車に乗ったほうがましだからと
自転車に乗らない日が挟まってきます。
一度乗らなくなると人間は楽な方向に流れてしまうので乗ろうとしなくなります。
心拍計を付けて必要以上に頑張りすぎない配慮が必要です。

自転車通勤を基礎体力の向上を目指してやる人なら、
一番遅いペースで走破してみて、
自然に時計が良くなるのを待っているといいです。

歌いながら走れる程度を維持すると心肺機能が強化されて
安静時心拍数が下がります。
すすこべの場合は左心室肥大を伴い、42まで下がりました。

冬の間はやりすぎって程に防寒をしなくてはいけません。
もちろん暖機運転が済むと一枚ずつ脱衣しますが、背中に背負う質量が
増えます。

☆車体
ここではちゃんとした値段の付いた車体で話をします。
折りたたまないけど折り畳みの自転車が欲しい人には
車体を電車に乗せないですか？と問いたいです。
折りたたむ習慣をつけないなら折りたためない車体をお勧めします。

駅まで5kmの人は管理維持費の部分を軽く見ているだけでもいいと思います。
そのうち、軽く見られないことが分かってくると思いますので。

車体に籠を付けて積載能力を向上させたいと考えるのはあきらめてください。
通勤時には1kgの加重が追加されるだけでも加速時に費やす負担を
増やしますので、楽ではなくなってきます。

基本としてバックパックを背負うか、サドルを支えるシートポストに
取り外しができるキャリアを付けますが、キャリアだけでも500gから、
キャリアに搭載する専用のかばんでも500gから(都合1kgの増加)なので、
車体が1kg重たくなってでもキャリアに頼っていいのか考えるところです。
夏場になると背中に汗がこもって熱いのでキャリアを付けたくなります。

前かごを付けていいのは軽快車だけです。

自転車の値段は車体に着けている部品の格式で決まります。
踏んだ分だけ前に進めるのは15万程度のロードバイクからです。
15万以下の場合は自転車専業メーカーのシマノから購入して組み付ける
変速機と制動装置の格式を下げて付けてます。
だいたい6万以下になると軽快車に近い感覚で扱える普及品になります。
軽快車では全く気にされていない車輪の回転特性も、
車体の値段が上がると変わります。

本気の値段(50万以上)の車体に着けてる車輪はいつまでもまわり続けて
止まりません。
4万の折り畳みだとすぐ止まります。

安い車輪では常にブレーキを掛けられた状態で
ペダルを踏んでいることになります。


☆管理維持費
月間の管理維持費は一か月の定期代と等しく掛かります。
タイヤとチューブは3000kmを目安にに交換します。
今まで自転車に乗る習慣がなかったのであれば、装束(雨天用も含む)、
防具、照明などで素早く3万以上は必要です。

駅までの5km位でそんな大げさなと驚かれるかもしれませんが、
雨天用の装束で上下を揃えて一万円。
5kmを超えて片道30km位は行こうとなされるのであれば、晴天用でも
安くても上下をそろえると8000円です。それ以下は品質管理が怪しい。

照明は前照灯が5000円。
前照灯をケチると新月の夜に横切る猫すらよけられません。
後尾灯も必要ですが、こちらは3000円から。

慣れてくるともっと楽にペダルを踏む(漕ぐじゃありません。)ためには
スキー用具と同じく固定装置付きのペダルを付けます。
これは靴と一緒に交換するので一万円から。

普通にペダルを踏んでると原付のお尻を追い掛け回す程度に
速度が出ますので、ヘルメットも必要です。5000円から。

はい、このあたりですごく費用が嵩むんだと判った方はあきらめてください。


☆どうして挫折してしまうのか？
自転車を使って通勤することは、
本来には必要とされない贅沢であるということです。
自転車に乗って風と友達になれるとか、一緒に同じ方向を向いて
飛ぶかもめと一緒に走るとか、
過度に負担を感じない爽快感を味わうのが自転車を使う通勤です。

日頃の仕事が机に座って頑張るとかで体を動かさないので、
ロードバイクに乗って通勤してみたら、通勤地獄から解放されるし、
熟睡できるようになったといえる何かの利点が見いだせたなら
長く続いていくと思います。

確実に地上の固定物にワイヤーロックをかけていたのに
車体を盗まれるとダメですね。

費やしたお金以上に手間暇をかけて整備をして、自転車屋さんとお話をして、
自分にしか乗れない自転車を作り上げていくのですが、
盗られてしまうと二度と帰ってこないので、やる気を削がれてしまいます。

自転車は半年悩んで注文を出してから6-12月待たないと
納車されない商品です。
値段の安い量産機ではお客様が待ってくれないので、
一年中少しずつのロットを生産していきますが、1ロットで200台、
量産機では限定色はもうありませんとも言われる場合があります。

本当は毎年の9月位には内金を納めて1-3月の納車を待つのが正解です。
今、お店の店頭に並んでいるのが今年の最終処分に掛かる時期ですので、
あるものから選んでください。
自転車は元々が薄利多売ですので、
店頭の正札以下には値引き販売をしません。


☆もし、半年を超えても自転車に乗れたなら
おめでとうございます！
自転車に投資した資金の全額に近い回収を果たしました！
後は乗れば乗るだけ貴方の財布が潤ってきます。
前述したとおり、大幅な黒字を計上することはありませんので、
頑張れた成果はすべてあなたの基礎体力として反映されていきます。

駅まで5kmがしんどいと言っていたはずなのに
片道30km行けるようになれば、定期代が全額浮きます。

通帳を見てにやにやしてるあなたの顔が...おっと。